ホロスコープ上に形成されるアスペクトを線で結んでいくと、正三角形や正方形、長方形、直角三角形など特徴的な図形が浮かび上がってくる場合があります。
このようなアスペクトを複合アスペクトやグループアスペクトと呼びます。
3つ以上の天体が特定のアスペクトを形成することでより強い影響力を持つ、と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、複合アスペクトがあるからすごい人、特殊な人、個性的な人と判断するのは早計です。
複合アスペクトそのものより、アスペクトを形成する天体に着目したうえで意味を読み解いていくことが重要です。
ここでは代表的な複合アスペクトについて説明します。
- グランドトライン
- グランドクロス
- グランドセクスタイル
- 小三角・ミニトライン
- Tスクエア
- カイト
- ヨード・ヨド・ヨッド
- メディエーション・調停
- ミスティックレクタングル
- クレイドル
- さらに詳しく
- 占い師紹介
グランドトライン
グランドトラインは3つ以上の惑星がトライン(120°)を形成するアスペクトです。
ホロスコープ上では正三角形としてあらわれるため目につきやすいでしょう。
なお、グランドトラインを形成する天体は必ず同じエレメント(元素)に属しています。
火のグランドトラインは積極性や行動力、風のグランドトラインはコミュニケーション能力や論理的な思考能力、水のグランドトラインは感受性や共感能力、地のグランドトラインは現実感覚や安定感などのエネルギーを象徴します。
グランドクロス
グランドクロスは4つ以上の天体が4つのスクエア(90°)と2つのオポジション(180°)を形成するアスペクトです。
ホロスコープ上では正方形の中に十字が描かれているような図形としてあらわれます。
グランドクロスを形成する天体はすべて凶角で結ばれているため、その人の個性に強い影響をもたらしたり、人生におけるさまざまな試練や障壁を暗示したりします。
また、グランドクロスを形成する天体は同じクォリティ(季節)に属するのが特徴です。
活動宮のグランドクロスは行動力に恵まれるものの、衝動的に動いてしまうため、目指す方向に一貫性が生まれにくいのが特徴です。
柔軟宮のグランドクロスは柔軟性に富む一方で、自身を取り巻く環境や他人の意見に左右されやすく、なかなか目的や方向性が定まらないという特徴があります。
不動宮のグランドクロスは意志や行動は一貫しているものの、状況に応じて柔軟に対応するのが難しい性質をあらわしています。
グランドセクスタイル
グランド・セクスタイルは6つ以上の天体から成るアスペクトで、6つのトライン(120°)と6つのセクスタイル(60°)、3つのオポジション(180°)を含みます。
3つのクォリティ(活動宮、柔軟宮、固定宮)と相性のいい2つのエレメント(火と風・水と地)を持つことから、エネルギーのバランスはよいものの、安定しすぎていて自ら目的意識を持ったり、行動を起こしたりするきっかけが掴みにくいといわれています。
しかし、ひとたび目標が定まれば、自分の力でオリジナルの人生を切り開いていくでしょう。
なお、グランドセクスタイルから頂点が一つ欠けた五角形のアスペクトをホームベースと呼び、その名の通り野球で使われるホームベースのような形をしています。
小三角・ミニトライン
小三角(ミニトライン)とは2つのセクスタイル(60°)と1つのトライン(120°)から形成されるアスペクトです。
ホロスコープ上ではやや平坦な二等辺三角形のような図形としてあらわれます。
トラインそのものは調和を示すアスペクトですが、同じエレメントから形成されることもあってエネルギーが安定しすぎて、穏やかなかわりに野心に欠ける状態に陥ってしまう傾向があります。
そこにセクスタイルが加わることにより、相性のよい別のエレメントのエネルギーが干渉し、運に任せるだけではなく自ら努力する姿勢が生まれるのです。
Tスクエア
Tスクエアは2つのスクエア(90°)と1つのオポジション(180°)から形成される複合アスペクトです。
ホロスコープ上では直角二等辺三角形のような図形としてあらわれます。
グランドクロスを半分にした形と考えるとわかりやすかもしれません。
Tスクエアもグランドクロスと同じく、同じクォリティ(季節)の天体のみで形成されるのが特徴です。
活動宮のTスクエアはアスペクトを形成する天体同士の連携が取りづらく、持ち前の行動力をうまく発揮できなかったりエネルギーを持て余してしまったりする状態に陥りやすいです。
柔軟宮のTスクエアは柔軟な態度を通り越して優柔不断になりやすく、行動や言動に一貫性が失われてしまうことがままあります。
不動宮のTスクエアは意志は固いものの必要以上に頑固になりやすいため、いかに柔軟性を身につけていくかが大きな課題となるでしょう。
カイト
カイトはその名の通り、ホロスコープ上では凧のような形に見えるアスペクトです。
3つのトライン(120°)と1つのオポジション(180°)、2つのセクスタイル(60°)により形成されます。
グランドトラインにオポジションが加わった形と考えるとわかりやすいでしょう。
グランドトライン単体では安定しているエネルギーの中に、オポジションの要素が干渉することで程よい緊張感が生まれます。
現状に甘んじることなく努力や研鑽を積み上げ、運と実力の両方を手にする可能性を暗示するアスペクトです。
ヨード・ヨド・ヨッド
ヨードとは2つのクィンカンクス(150°)と1つのセクスタイル(60°)から形成されるアスペクトです。
ホロスコープ上では縦に細長い二等辺三角形のような図形としてあらわれます。
クィンカンクスはエレメントもクォリティも全く異なるアスペクトですが、セクスタイルが加わることで、異なる性質を有する天体同士に調和をもたらしてくれます。
ヨードは『神の指』や『神の手』などと呼ばれることもあり、避けられない
宿命を示唆するアスペクトです。
しかし、天体同士のエネルギーを調和させる術さえ見出すことができれば、宿命を逆手に取り才能を開花させられる可能性も秘めています。
メディエーション・調停
メディエーション(調停)とはオポジション(180°)とトライン(120°)、セクスタイル(60°)から成るアスペクトです。
ホロスコープ上では直角三角形のような図形としてあらわれます。
その名の通りオポジションを形成する天体同士の間を、トラインとセクスタイルを形成する天体を調停し、過剰なエネルギーの影響をやわらげてくれます。
ミスティックレクタングル
ミスティックレクタングルとはその名の通り、ホロスコープ上では長方形のような図形としてあらわれるアスペクトです。
2つのメディエーション(調停)から形成されると考えるとわかりやすいでしょう。
ミスティックレクタングルは火と風、水と土という相性のよいエレメント同士で形成されることから、メディエーションよりもさらにエネルギーが安定しています。
天体同士のエネルギーをうまく調和させることで、創造力や発想力を開花させられる可能性もあります。
クレイドル
クレイドルとは『揺り籠』という意味で、ホロスコープ上では台形のような図形としてあらわれます。
ミスティックレクタングルとは形が異なるものの、こちらも2つのメディエーション(調停)が含まれるアスペクトです。
オポジション(180°)の影響を2つの星が緩和していることから、このアスペクトをもつ人はトラブルに見舞われても周囲の人々や運が味方して解決に導いてしまったり、もともと問題を処理する能力が高かったりする傾向が見られます。
基本的なアスペクトの読み方はこちら
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。