星座と天体では、出生図における10天体を『自分』という会社で働く社員(と、会社に関係する人々)にたとえて解説しました。
その中で月を社長令嬢、水星を営業担当に置き換えています。
普通の会社なら、いくら社長の家族でも、従業員と親しくなる機会はあまりないのかもしれませんが・・・月と水星がアスペクトを形成している場合、社長令嬢と営業担当の間に何らかのつながりがあると考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、月と水星が吉角を成している場合、この会社の営業担当(水星)は社長(太陽)よりも令嬢(月)の意向を優先するきらいがあるようです。
逆に、凶角を成している場合は、令嬢(月)の気まぐれに振り回されて右往左往する営業マン(水星)といった関係でしょうか。
月は感情や潜在的な欲求、水星は学習能力やコミュニケーション能力を司ります。
月と水星のアスペクトを見ることで、その人の共感能力や感情表現の傾向を読み取ることができます。
月と水星が吉角(ソフトアスペクト・イージーアスペクト)
0°(コンジャンクション・合)
コンジャンクションとは簡単にいえば、2つの星がほぼ一体化しているような状態です。
感情(月)と、言葉や知性(水星)が連動しているため、このアスペクトをもつ人は自分や他人の感情のあり方を明確に言語化するのが得意です。
共感能力に長けているため、目の前にいる相手の気持ちを察したり、場の空気を読んだりするのも得意でしょう。
営業職や接客業、文筆業など言語能力やコミュニケーション能力が重視される仕事に就けば、才能を発揮する可能性が高いです。
ただし、この人にとって感情と知性は切っても切り離せない関係にあるため、無意識のうちに感情論に偏ってしまったり、主観的な視点で物事を判断してしまったりする傾向があるようです。
120°(トライン)
アスペクトの種類でも解説したように、 トラインは同じエレメントの間で形成されるアスペクトです。
令嬢(月)と営業(水星)の性質や価値観が似通っており、スムーズに意思の疎通がとれている状態をイメージするとわかりやすいでしょう。
コンジャンクションと同様、自分の気持ちを伝えたり、人の気持ちを察したりするのが得意です。
相手が望む言葉や、興味を惹かれるような話題を的確に差し出すことができます。
本人もおしゃべりが好きで、積極的にコミュニケーションをとろうとするでしょう。
一方で、令嬢(月)も営業担当(水星)も考え方が似通っているため、言語表現や文章表現の引き出しがややワンパターンになりがちです。
また、優しい言葉やポジティブな表現が得意な反面、相手の欠点を指摘したり、叱咤激励したりするシチュエーションが苦手なようです。
60°(セクスタイル)
セクスタイルは火と風、水と地というように、お互いを補い合うエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションやトラインほど親和性は高くありませんが、お互いに異なるエレメントをもつため、多角的な視野をもつできます。
視点が一方向に偏りやすいという問題が解消される分、柔軟な考え方ができるアスペクトです。
このアスペクトをもつ人は、自分や他人の感情をそのままストレートに表現したり解釈したりするのではなく、独自のフィルターを通して言語化しようとする傾向があります。
丁寧かつ細やかな分析を経て言語として抽出された感情表現は、多くの人の心を掴むでしょう。作家などクリエイター向きのアスペクトです。
月と水星が凶角(ハードアスペクト)
180°(オポジション・衝)
オポジションはセクスタイルと同じく火と風、地と水のように親和性の高いエレメント同士で形成されるアスペクトです。
ただし、セクスタイルが少し距離を置いて隣り合っているのに対し、オポジションは真正面から向かい合っているため、緊張感のある関係になります。
たとえるなら、令嬢(月)と営業(水星)が、お互いの一挙手一投足を見張り合っているような状態です。
このアスペクトをもつ人は、感情と言語が直結しているかのように、思ったことをすぐ口にしてしまう傾向があります。
自分の感情はもちろん、他人の感情の動きにも逐一反応し、口を挟んでしまうので、周囲からは神経質な人ととられることもしばしばあるようです。
ただし、細かい感情の動きを見逃さないという特性は、アナリストや指導者のような立場に立ったときに役立つこともあります。
90°(スクエア)
スクエアは火と地、風と水など反発しあうエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションやオポジションのように、お互いに通じ合うところがないため、令嬢(月)と営業担当(水星)はお互いに何を考えているのか、次にどのような行動をとるか、全く予想ができません。
常にピリピリと神経を張り巡らせて、お互いの動向を探ろうとしているため、情緒が不安定になりやすいです。
また、このアスペクトをもつ人は、人の感情のネガティブな側面、たとえば不満やコンプレックスなどを的確に察する能力があります。
そのため、まさしく相手の痛い部分を指摘してしまうことも珍しくないようです。
ただし、この星並びを自覚し、使いこなす術を見いだせれば、清く正しくポジティブな感情だけではなく、その裏に落ちた影をも見透かした、心理構造のスペシャリストになれる可能性もあります。
さらに詳しく
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。