星座と天体では、出生図における10天体を『自分』という会社で働く社員(と、会社に関係する人々)にたとえて解説しました。
その中でも、トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)の位置づけは少し特殊で、個人天体のような社員でもなければ、社会天体のような明確な支援者でもない、会社の外部から影響を及ぼすポジションにたとえることができます。
変化や改革をあらわす天王星は、たとえるなら『自分』という会社と競合するベンチャー企業のような星です。
一方、理想や博愛精神を司る海王星は、『自分』という会社ぐるみで贔屓にしているバーやスナックのママにたとえることができます。
天王星と海王星がアスペクトを形成している状態は、『自分』という会社の社員が贔屓にしているスナックに、いつのまにか競合のはずのベンチャー企業まで通うようになっていた・・・というようなイメージです。
天王星と海王星が吉角を成している場合、ベンチャー企業(天王星)はママ(海王星)からの助言を受けて、どんどん革新的なアイデアを打ち出していくでしょう。
逆に、凶角を成している場合、やはりひらめきは冴え渡るものの、現実感のないアイデアも多くなり、ほとんど妄想といえる域に達してしまうかもしれません。
天王星と海王星のアスペクトに注目することで、その人の発想力やインスピレーションの強さなどを読み取ることができます。
天王星と海王星が吉角(ソフトアスペクト・イージーアスペクト)
0°(コンジャンクション・合)
コンジャンクションとは簡単にいえば、2つの星がほぼ一体化しているような状態です。
変化や改革を司る天王星と、直感や理想、感情などをあらわす海王星が重なっていることから、このアスペクトをもつ人はインスピレーションに恵まれやすく、独創的なアイデアを直感的に思いつくことが多いです。
神秘主義やスピリチュアルな分野に関心が高く、実際に仕事にしてしまう人もいます。
時代を読むセンスと先進的な発想力を備えていることから、科学や芸能、芸術、文芸などの分野で大成する可能性も高いです。
また、天王星は電子機器や最新のテクノロジーと縁の深い星でもあります。
そのため、ITやインターネットメディア、ゲーム関連の仕事にも適性があるでしょう。
120°(トライン)
アスペクトの種類でも解説したように、 トラインは同じエレメントの間で形成されるアスペクトです。
似た者同士ではあるものの、コンジャンクションのように一体化するほどではなく、極端な影響は出にくいでしょう。
このアスペクトをもつ人は、いわゆるエキセントリックと呼ばれるような性質の持ち主です。
他の追随を許さない卓越した発想力とインスピレーションを備えています。
しかもアイデアを打ち出すだけではなく、想像したものを形にする力も持ち合わせているため、芸術や創作、発明などの分野で活躍するかもしれません。
ただし、気分屋なところもあるため、アイデアが実現するまでは時間がかかることもあります。
周りは振り回されるかもしれませんが、本人は比較的ポジティブな性格なので、それほど苦悩することなく、理想を追いながら前向きに日々を営んでいけるでしょう。
60°(セクスタイル)
セクスタイルは火と風、水と地というように、お互いを補い合うエレメント同士で形成されるアスペクトです。
コンジャンクションは一心同体、トラインは似た者同士だったのに対し、セクスタイルは親和性こそ高いものの、基本的な考え方は価値観は異なります。
そのため、コンジャンクションやトラインほどストレートな影響が出ることは少ないでしょう。
このアスペクトをもつ人も、やはりトラインと同様、アイデアを形にする才能を秘めています。
ただし、トラインほど気分に左右されることはなく、客観的な視点から状況を分析したうえで、理性的な判断を下したりすることも可能です。
どちらかといえば大器晩成型で、誰の目にもあきらかな形で才能が開花するまで、ある程度の時間がかかります。
しかし、ひとたび時代の潮流に乗れば一気に注目を集めるでしょう。
伝統や慣習を重んじるよりも、先進的な発想や未来的なヴィジョンを求められる分野に適性があります。
天王星と海王星が凶角(ハードアスペクト)
180°(オポジション・衝)
オポジションはセクスタイルと同じく火と風、地と水のように親和性の高いエレメント同士で形成されるアスペクトです。
ただし、セクスタイルが少し距離を置いて隣り合っているのに対し、オポジションは真正面から向かい合っているため、緊張感のある関係になります。
このアスペクトをもつ人も、吉角と同じく発想力やインスピレーションには長けているのですが、想像したものを形にしようとするとつまづいてしまう傾向が見られます。
やりたいことはあるのになかなか形にできないもどかしさからフラストレーションが溜まり、現実逃避に走ってしまうこともあるようです。
アイデアに夢中になっているときと、実現できずに失望したときの落差が激しく、情緒面も不安定になりやすいでしょう。
ただし、諦めずに形にするための手法を学び、モチベーションをコントロールする術が身につけば、他の追随を許さないほどの優れた才能を発揮する可能性もあります。
90°(スクエア)
スクエアは火と地、風と水など反発しあうエレメント同士で形成されるアスペクトです。
性格や価値観に通じ合うところがないため、なかなかお互いの意志が噛み合わず、相手の思考や行動に横やりを入れてしまうこともしばしばです。
コンジャンクションやオポジションのように常に干渉し合っているわけではなく、くっついたり離れたりを繰り返す不安定なアスペクトと考えるとわかりやすいでしょう。
このアスペクトをもつ人も、吉角と同じく優れた発想力を秘めているものの、アイデアがなかなかまとまらず、実現に漕ぎつけるまで困難をともなうでしょう。
不安や迷いを抱えることも多く、思考や行動方針がが定まらないため、周りを振り回してしまうこともしばしばです。
ただし、もともと秩序や常識、倫理などには関心が薄く、むしろ本人は無秩序で混乱した状態を楽しんでいる節があるようです。
さらに詳しく
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※アスペクトがもつ意味や性質についてはここに記した内容が全てではありません。
占者や占術により解釈は異なります。
より詳しく知りたいという方は、専門家に鑑定を依頼することをおすすめします。
占い師紹介
島谷実郷(しまや みさと)
占星術師・タロット占い師。 探偵事務所調査員や納棺師、ライターなどの職業を経て2017年『占い処 十一時屋』を設立。 2020年5月島根県へ移住。 現在は松江市や出雲市を中心に対面鑑定を行うかたわら、チャットやSNSを利用したオンライン鑑定も受付中。