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手紙のはなし

駆け出しライターのブログです。

ぼんやり映画鑑賞―オテサーネク ヤン・シュヴァンクマイエル 2000年

C!C!ビタミンC!おはようございます。発狂したわけではないのでご安心ください。

スポンジボブもキてるけどアドベンチャータイムも相当だよな……。マーセリンとレモングラブが好き。

 

さて、こちらの記事シュヴァンクマイエルの名前を出したら、久々に観たくなりました。短編も長編も大好きな作品ばかりなのですが、本日取り上げるのはこちらの一本。 

オテサーネク [DVD]

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長編作品は短編のように、チェコの歴史とか風刺的な意味をよく知らなくても楽しめるので、些かとっつきやすいような気がします。

 

 

※ここから先はネタバレを含みます!未見の方はご注意ください。

 

 

この作品の内容を簡潔に表すなら「わああああああ猫おおおおおお」違った「幼女の眉毛がない」でもなくて「母ちゃんの手料理ェ……」全部同じ映画の感想です。

子供が欲しすぎてちょっとおかしくなってしまった夫婦と生き物かどうかもあやしい物体の物語。オテサーネクの童話はこの映画の為に作られた創作ではなく本当にチェコに伝わる民話だそうです。ちなみに作中でアルジュビェトカちゃんパケ写インパクト満点な幼女)が読んでいる本の挿絵は監督の奥さん、エヴァさんの手によるもの。夫婦して感性がリンクしまくっている……だって映画の雰囲気にぴったりなんだもんよ。

ストーリーはオテサーネク(オティーク)と、オティークを生んだ……?夫婦を軸に回って行くのですが、キーパーソンになるのがご近所に住む妙に鋭く賢い幼女アルジュビェトカちゃん

あの……アリスとか、地下室の怪の女の子もそうだけど、チェコのおなごはみんなこう、目つきがするどめなのか……?監督がそういう子を意図的に選んでるだけ……?

余談ですがこういう、映画とかドラマとか、メディアによるすりこみとは本当に凄まじいもので、私もある時期までアメリカの標準的な家庭はフルハウスであると本気で信じていました。ちなみにアメリカの標準的な治安はゴッサムシティで、アメリカの標準的な知能指数アベンジャーズです。アメリカどんだけ天才まみれよ。

話を戻して、オティークが化け物ではなく子供に見えているのは、作中でもお母さんだけで、生肉をそのままバッグに突っ込むガッツある父ホラークは普通に、赤子どころか人間でないと認識している。このあたりの相違が、父と母のポジションとか、父性と母性の違いのようなものを示唆しているようで興味深い。

オティークを守ろうと必死になるのが女性なら、オティークを葬るのもまた女性というのも面白い。次々クワを買い替える経済力はあるらしいアパートの管理人さん。もしかしてそれって共益費?

そんでもってサイドを固めるキャラも強烈。なぜかかたくなにゲロ流動食しか生産しないアルジュビェトカちゃんのお母さんとか、幼女を執拗につけ狙うおっさん通り越しておじいちゃんとか。ロクな大人いねぇなこのアパートはよぉ!

シュヴァンクマイエル作品でおなじみのアニメーションも、出番は少なめですが健在です。ヌルヌル……カクカク……ヌルカク……?ともあれ生理的にぞくっと来るようなオティークの動きが実写アニメで見事表現されています。

 

最後に、数ある作品の中から何故これを選んだかというと……私、これを始めて観たのが池袋の新文芸座だったんです。オールナイト上映という、夜の22時から翌朝の5時くらいまでぶっ通しで上映するイベントがあって、たまーにシュヴァンクマイエル特集をやっていたので、一人で観に行きました。徹夜で観るのだから楽なほうがいいだろうと思って部屋着みたいなラフな格好に、コンタクトではなく防弾ガラスみたいな分厚い眼鏡を装備。他の人もみんなそんな感じだろうなーなんて思っていたのですが……蓋を開けてみたら普通に美大生っぽいオシャンティな若人ばかりだったという……色んな意味で思い出深い映画です。