ぐだぐだ読書感想―さかしま J・K・ユイスマンス

食べた物の体内滞留時間が短くて困っています。おはようございます。

いや……すぐお手洗い行きたくなっちゃうんですよね…。腸が活発……?なのかな……?

 

さて、こちらの記事ユイスマンスの「さかしま」について触れたので、覚え書きがてら感想を書いておこうと思います。個人的な見解ばっかりだから、レビューとしては全く参考にならないよ!

 

さかしま (河出文庫)

さかしま (河出文庫)

 

 

 

 

※若干のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください!

 

 

 

この本を読んでみようと思ったのは、澁澤龍彦氏の「少女コレクション序説」でちょろっと紹介されていたからです。内容を大雑把にまとめると、病的な凝り性で社会に迎合出来ずやたらとプライドの高いおじさんがあれやこれやする話。

うーん……面白さが伝わるかな、これ……。実際面白いの?と問われると微妙。面白さの性質が、こう……読む人によって変わってくるというか……興味深い内容という意味では存分に面白いと思うのだけど。

文体はねー……訳者が澁澤氏というのもあるのかもしれませんが、なんか……あんまり読む側に分からせる気がない?ひとつひとつの言葉のチョイスは美しいです。それだけに単語で想起されるイメージ重視というか、文脈は考えるな、感じろ、というか……私小説っぽいな。視覚とか嗅覚とかをそそられるという意味で、なんつうの……官能的な小説。

実際、主人公であるデ・ゼッサントも、かなり五感を重視しているし、敏感です。重視しすぎて変態的なくらい。

生まれながらに地位も財力もあり、欲しいものがあればどんなに高価でもすぐに取り寄せたり、思いつきでふらっと旅行に出かけたりできるほど裕福に暮らしているのですが……ちょいちょい挟まれる回想がつらい。所謂若気の至り、黒歴史と呼ばれるやつから最近の出来事まで、割と頻繁に話が前後するのですが(しかも一回一回の回想が長い)今でさえエッジの利いたキャラを持つおっさんの過去となると、そりゃもう触るものみな傷付ける勢いでとんがっているもので、読んでいてうわああああやめろおおおおおってなります。

それから前の記事でも書いたように、食べ物の描写がとにかくまずそう。これは訳者がどうっていう問題ではなく、もともとおいしくなさそうに描かれてたのかなー。もしそうだとしたらシュヴァンクマイエルみたいに、筆者自身が食事という行為に対して、嫌悪というか憎しみのようなものを抱いていたのかもしれない。

 

ジュネを読んだ時も思ったのですが、もしフランスに生まれて、現地の語感だとか歴史的な背景を知識じゃなくて体感的に悟った状態で読んでも、こんなに煩雑なんだろか。難解な作品でも意味の通るように置き換える作業は相当骨が折れることと思われますが、あとがきで澁澤氏は楽しみながら苦労したと振り返っています。訳者ってすげえ……。

ぐだぐだ読書感想―恐るべき子供たち ジャン・コクトー

サクマドロップススモモ味が一番好きです。おはようございます。

あれなんで青なんだろなー……。キレイだしおいしいから好きだけど。何でか最初グレープフルーツ味だと思ってたんだよな。ハッカと見分けつかなかったし。

全然関係ないのですが、以前この記事で「恐るべき子供たち」についてちょっと触れたので、自分なりにこの本の内容と感想を書いてみたいと思います。大好きなのですよこの本。

恐るべき子供たち (岩波文庫)

恐るべき子供たち (岩波文庫)

 

 

 

 

 

※ここから先はネタバレ有の感想です!未読の方はご注意ください。

 

 

 

個人的に「恐るべき子供たち」と「さかしま」が二大引きこもりのバイブルの名を冠するにふさわしいと思うのですが、何というか、どちらの主人公も根っこは引きこもりに違いないのですが、ベクトルが違いますよね。

デ・ゼッサントは自分に居心地の良い空間を創造しようとしながらも、何やかんやで外の世界に理想郷を求めて出て行ったりもしている。(結局失望して戻って来るんだけどね)かたやエリザベートとポールは内へ内へこもろうとするエネルギーがものすごく、飽くまで部屋の中を理想郷とすることに固執している。ブラックホールなみの吸引力。

この場合の「部屋」っていうのは具体的な場所というより、なんだろな、二人の世界とでもいうんだろか。実際引っ越しもしてるしね。

外の世界から部屋の中へ入ってくる人間もいるんだけど、結局は弾き出されてしまう。部屋の中へ引き入れるべき「宝物」について、途中まで姉弟の意志はリンクしていたし、あるいは協議することで選定されていたりもしたのだけれど、どちらかの望まないものを欲した時、部屋は破綻する。

作中ではっきりと引きこもりと呼べるのはエリザベートだけなのかな。ポール自身は部屋を出たいという願望はあっても、どのみち外の世界では生きられなかった気がする。エリザベートがそれを許さないというのもあったけど、死んですら出られなかったしなー……。

ところで作中の描写でちょっと気になったのが、エリザベートが一瞬やっていたバイト。マネキンって……つまり、あの店先とかに置いてあるマネキンを、生きた人間がやってたってこと……?それからアガートを指して「ビー玉みたいな名前」って言ったのは、やっぱりアゲートのことなんかな。柘榴水とか巴杏水とか麦飴菓子とか、ピンとこないけどいちいちおいしそうだよね。「さかしま」なんて食べ物の描写がことごとくくっそまずそうなのに……。

 

しっかし重いなフランス文学……。一回食べると「も゛う゛い゛い゛て゛す゛」ってなるんだけど、しばらくすると消化不良起こすってわかってても食べたくなる、ケンタッキーフライドチキンとかデミグラスソースのかかったオムライスみたいな存在です。

 

ぼんやり映画鑑賞―街の灯 チャールズ・チャップリン 1931年

静かな映画といえば、これもありました。

街の灯 コレクターズ・エディション [DVD]

街の灯 コレクターズ・エディション [DVD]

 

確かに静かといえば静かです。セリフがないから。(代わりに字幕?が差し込まれる) 

しかしこれはあんまりBGV向けじゃない。そっちばっか見ちゃうから。

 

 

※ここから先はネタバレありの感想です!未見の方はご注意ください。

 

 

監督・主演をつとめるのはチャールズ・チャップリン。個人的に「魅力的な普通のおじさん」を演じたらジャック・レモンの右に出る者はいないけど「魅力的でちょっと変なおじさん」はチャップリンがナンバーワンかも知れない。ミスター・ビーンはちょっとどころではないのでこの場合の候補からは外します。

あらすじをまとめると「めっちゃ尽くす変なおじさんの話」。主人公は浮浪者なんすね……イギリスの浮浪者はこんなおしゃれなんですかよ。

チャップリン自身もチャップリンが恋する花売りの娘さんも結構つらい境遇にある筈なのに、随所に挟み込まれるコメディシーンのおかげであまり悲惨さを感じられない。身投げするおっさんを助けるシーンとかボクシングとか……普通に笑うよね?私の笑いのツボが浅いわけじゃないよね?

逆にコメディとの対比があるからこそ、二人がおかれた状況の厳しさがかえって強調されるという見方もある。

服役を終えたチャップリンの服がさらにボロボロになっているのがまた切ない……。ただでさえ冒頭でおしり破けちゃってるのに。しかもシャツもベストもなくなってないか?インナー着てる?

ラストシーンで真実を知った娘さんが嬉しかったのか、それとも心の底ではがっかりしたのか、私にはいまひとつよく分かりませんでした。どちらとも取れるセリフと表情。受け取る側の判断に委ねるため、チャップリンも敢えてその辺りを描写しなかったのかも知れません。まあ、チャップリンの笑顔がめちゃんこプリティだからどっちでもいいか。

ところでこの、花売りのお嬢さんの家、「ローマの休日」に出てくる新聞記者の、ブラッドレーのおうちによく似てませんか?いつも思い出します。

ぼんやり映画鑑賞―美女と野獣 ジャン・コクトー 1946年

昨日、作業用のBGVとしてジャン・コクトーの「美女と野獣」を流していました。

 

美女と野獣 [DVD]

美女と野獣 [DVD]

 

 

 たまたま手持ちのDVDの中でこれが一番静かで邪魔にならないかなと思ったのですが、そういえばディズニーの美女と野獣もそろそろ実写版が公開になりますね。

 

 

※ここから先はネタバレありの感想です!未見の方はご注意ください。

 

 

パッケージによるとこの映画は第二次大戦後、最初に封切られたフランス映画とのこと。物資もそれなりに乏しい時代だったと思われますが、セットも衣装もめちゃめちゃ豪華。野獣のメイクは……まあ、うん……。ヒョウがモチーフにしてはやけにふわふわしてる、ね……。

ストーリーや人物設定はディズニーの美女と野獣とはかなり異なります。まずベルが強え。野獣の健気さがちょっとかわいそうに思えてきます。ベルが最初に置かれている境遇としては継母のいないシンデレラ……?お父ちゃんは一応いますが末娘がどういう扱いを受けているのかいまいち把握しきれていない様子。二人の兄がいる点もディズニーとは違います。ちなみに家はそれなりに裕福な様子。(借金抱えてたりするけど)

不思議な家具たちはおしゃべりこそしませんが動きます。しかし明るくフレンドリーな感じじゃない……むしろうすら不気味……そこが良いのですが。

動く家具にせよ野獣にせよ見たいものを映す鏡にせよ、魔法の力が働いているという設定だからか、ちょっと特撮っぽいシーンも入ってきます。しかしベルが実家に帰るシーンや野獣が王子に戻るシーンはちょっと唐突で笑った。(ワァーオ!みたいなSEも最初ビクッとするけど慣れると面白い)

個人的に一番好きなシーンは野獣を殺したベルのお兄ちゃんが野獣になっちゃうシーン。いいねいいね何度見てもぞくっとするよ。あとカーテンを持つタッセル代わりの腕もお気に入り。さり気なく見守ってるベッドの飾り的な顔とか。……あれ、やっぱりあの家具って……うすら不気味とか言ってたけど実は……か、かわいい……?

監督・脚本を手がけたジャン・コクトー氏といえば……画家であり詩人でもあり小説家でもあり劇作家でもある、八面六臂の活躍をされたマルチクリエイターとして有名です。日本人でいえば寺山修司的な……?私の中では引きこもりのバイブルこと「恐るべき子供たち」の印象がかなり強いのですが……そちらの作品についてもいずれ触れたいと思います。

はじめまして

ブログ(日記)を書くのが久し振りすぎて、かなり緊張しています。高木昭良と申します。

 まだまだ駆け出しですがフリーライターをしています。どのくらいぺーぺーかと言うと、去年の末までサラリーマンとして会社勤めをしていました。今年一月に独立したばかりで、実績らしい実績もありません。

 ちなみに前職はライターのらの字もない全くの異業種で、経験も実績もツテもないまま独立というのも全く無謀でしかないのですが、よく考えたら無謀なのは割といつものことでした。

 このブログでは記事にはならないけれど埋もれさせておくのは惜しいネタ(主に体験談)から好きな映画や愛読書の感想、最近買ったコスメやアイスの感想など日記的な内容まで、気分の赴くままに書き連ねて行く予定です。

 よろしくお願い致します。